「なでしこ」とは
ナデシコ科の多年草。広く山野に自生し、ピンクのかれんな花をつける。川原に多いので「かわらなでしこ」と呼ばれる。古く万葉集の歌にも詠まれ、秋の七草の一つにかぞえられている。
秦野市では丹沢の美しい自然と澄んだ空気をいつまでも大切に守り、次代へと引き継ぎ快適な市民生活環境の保全を願い1972年(昭和47年)4月1日に市の花として定めています。
秦野市の市章・市の木・市の鳥・市の花
〈秦野市ホームページより〉
なでしこについて、ここ数年、私自身が実施した「なでしこ」〈園芸種と原種の2種類〉の育て方をまとめました。ご家庭でなでしこを栽培する際の参考にしてください。
★市の花「ナデシコ」の大量育苗
定植場所
〈園芸種〉
・小原台子ども広場 600 本
・秦野市富士見の湯 700 本
・秦野市カルチャーパークジョギングコース 400 本
・自宅 100 本
〈原種〉
・鶴巻上自治会市道 300 本
・栃窪スポーツ広場 600 本
・配布用 1590 本
・自家採種用 600 本
栽培する際のテーマは「永年宿根性」の研究開発
・剪定により栄養生長の継続
→目安として1/2程開花したら、根元の若芽を残し茎を切除する(これを毎年繰り返す)。
・栄養生長部分を残しておく←これがコツ
それでは、実際に行った育成方法について、レポートしていきます。
播種
箱まき(A4~A5 大のプランターへ)
→種まきは1㎠に1~2粒くらいまく。覆土は種子が少し見えるくらいに薄くかける(細
粒の土)。
その上に新聞紙を2枚かけ、新聞紙の内側に水が貯留できるようにする。
お手入れの方法
01:新聞紙の上から細粒ジョウロで散水をし、1cm ほど水を入れる(新聞紙に湿気を与え
る)。
02:新聞紙が乾いたら水気が軽く残るように繰り返し散水する。
※気温が 15℃であれば 1 週間ほどで発芽を始める。
03:潅水は発芽に重みが掛からないよう霧吹きなどで湿気を与える。
04:初めの発芽から2~3日で播種した種の80%以上が発芽するので、夜間に新聞を取り、芽を外気に慣らす。
※但し、屋外の場合、猫等などの小動物に食べられないように注意!
ほぼすべてが発芽するまでは直射日光に当てず、日陰に入れたほうが良いでしょう。
第1回目の移植
・本葉が1枚位になると根も枝根が出て細粒土を抱いて活着が良くなる。
・3~4cm 間隔で移植をする。
第2回目の移植
・ナデシコが繁茂し枝葉が交差するようになったらポットへ移植をするか庭や畑等に定植
を行う。
※土は雑草の種や病原菌、害虫がいない深い場所の土を利用する。また、堆肥等を混ぜる
とよい。
〈 ご自宅の庭や畑に定植する場合 〉
01:雑草、草の根などを除去し堆肥、肥料を混入させ深さ20cmまで耕し定植する。
02:定植後の雑草は生えたらすぐに抜くようにする。
特に根元の草を丁寧に。1年目は通常1本先に
株立ちが早く開花楽しむにはそのまま開花させる。
ある程度揃えて開花させるためには
・根元から4~5節残し剪定する。
・脇芽が出始めたら少しずつ土をかぶせることで芽の繁茂が良くなり花も多く咲く。
・開花を自然に任せておくと草の勢いが弱り1年で枯れてしまうので、目安で株の1/2程開花したら、剪定(花房が青い時期)をし、根元の若芽を残し茎を切除する。これを毎年繰り返すことで、ある程度揃っての開花が期待できる。
採種
前述したとおり、半分ほど開花し花房(種房)が青いうち(未熟種子を確認し茎葉から切り取り日陰で追熟させる)に行う。
時期は冬季に室内でプランター等の箱に播種をすると発芽し年間栽培可能になる。
〈 追熟 〉
01:追熟にはビニール袋に入れ、袋の口を開けて日陰に吊るし順次、種房を入れフカフカの状態にしておく。
02:主枝の大きいものは節に小枝、種房をつけ入れておく。
→緑の部分から枯れながら栄養が種子に蓄えられ充実した種子になる。
03:種房の緑が無くなり乾燥したら日陰からそのまま日光の当たる場所に吊るし乾燥させる(雨水が入らないように注意)。
04:種が種房からこぼれ始めるので、種子の選別を行う。
〈 種子の選別 〉
01:乾燥したら枝と種房を切り離し枝は捨て、花房・小枝のみを乾燥した布袋にいれて足踏み、手もみして種子を分ける。
※作業の際、小枝が手に突き刺さるので皮手袋など厚手の手袋を使うとよいです。
02:選別した種子は低温貯蔵をし、順次播種すると年間育苗できる。冬季は室内かトンネル栽培が良い。また、茎や葉、土が凍っても耐えることができるが、凍結防止に軽いカーペット状のもので蓋っほうが生育が早い。
このあと、冒頭の播種へ戻ります。このサイクルを繰り返すことで、ナデシコを増やすことができます。ぜひ、ご家庭でもチャレンジしてみてください!